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夏季の電気工事現場での災害防止策:感電・熱中症・毒虫対策のポイント

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夏の現場で起こりうるリスクとは?

夏の現場作業は、高温多湿の環境下で行われることが多く、作業者の疲労や注意力の低下から感電、熱中症、蜂刺されなどの災害リスクが高まります。特に工場や店舗などの業務現場では、猛暑の中での作業が避けられず、事故や健康被害が発生しやすい季節です。

近年、暑さ対策や安全装備の導入が進む一方で、現場では「少しぐらいなら大丈夫」という油断からルールが守られないケースや、省略行為による事故も見られます。これらの災害は、作業者本人だけでなく、企業全体の信頼や業績にも影響を及ぼしかねません。

本記事では、夏季における電気工事現場での具体的な災害リスクを紹介し、感電、熱中症、毒虫被害の防止策を、現場経験の浅い作業者でも理解できるように詳しく解説します。安全文化の醸成と企業のリスク管理の一環として、ぜひご活用ください。

電気(感電・アーク)災害防止の基本

感電防止の基本は「計画」「装備」「声掛け」です。まず、作業計画には必ず十分な休憩時間を組み込みましょう。暑い中での作業は判断力が鈍りがちです。無理をせず、こまめに休憩を取り、熱中症対策とも連動させることで、事故リスクを減らせます。

装備面では、高低圧活線作業において、絶縁用防具(ゴム手袋、絶縁シート、ホットスティックなど)の着用は必須です。作業前に現場のルールを確認し、身の回りの絶縁処理を徹底しましょう。たとえば、絶縁用防具の破損や劣化は感電事故につながるため、日常点検と交換を怠らないことが重要です。

さらに、現場での「声掛け」が命を守る鍵となります。作業責任者と作業者同士で頻繁に声をかけ合い、「ちょっとした異常」や「体調不良のサイン」を見逃さない体制を築きましょう。特に若手作業者や経験の浅い方は、自分から声を上げづらいことが多いため、先輩や管理者が積極的に声をかける雰囲気づくりが大切です。

熱中症対策の徹底

初期症状(めまい、吐き気、異常な発汗、頭痛)を見逃さず、異常を感じた場合は作業を中止し、涼しい場所で体を冷やし水分補給を行い、必要に応じて救急要請を行いましょう。

熱中症は、命に関わるリスクです。暑さ指数(WBGT値)を活用し、作業内容や時間帯、現場の環境に応じた対策を講じることが求められます。たとえば、WBGT値が高い日は作業時間を短縮したり、朝夕の涼しい時間に作業を集中させる工夫が有効です。

また、空調服、保冷材、冷却スプレー、アイススラリーなどの冷却アイテムを積極的に活用しましょう。空調服は風を循環させることで体温上昇を防ぎ、アイススラリーは内側から体温を下げる効果があります。加えて、首元や頭部を冷やす冷却グッズや、携帯用ミストなども手軽に使えます。

管理者は、作業前の体調確認を徹底し、作業中は30分ごとに水分(100ml程度)と塩分補給を指示します。作業責任者は開始前、途中、終了時に作業者の体調を確認し、適宜休憩を取り入れることを心がけましょう。特に梅雨明け直後は身体が暑さに慣れておらず、熱中症リスクが急増します。若年者や体力に自信がある作業者も、過信せずこまめな休憩と水分補給を行うことが重要です。

初期症状(めまい、吐き気、異常な発汗、頭痛)を見逃さず、異常を感じた場合はただちに作業を中止し、涼しい場所で体を冷やしながら水分・塩分を補給し、必要に応じて救急要請を行います。

蜂・マダニによる災害防止策

  • 蜂の巣の有無を事前確認
  • 露出を減らした服装(長袖、長ズボン、帽子)を着用
  • 黒い服は避ける
  • 頭部ネット、防蜂スプレーの携行
  • 刺された場合は、毒針除去・冷却・洗浄・止血・救急要請

蜂やマダニは、夏季に活発化する自然災害リスクの一つです。特に蜂刺されは毎年多発しており、過去にはオオスズメバチに刺されて死亡する重大事故も発生しています。現場作業では、蜂の巣の有無を事前確認し、露出を減らした服装(長袖、長ズボン、帽子)、黒い服を避ける、頭部ネットや防蜂スプレーを携行するなど、予防策を徹底しましょう。刺された場合は、毒針の除去、ポイズンリムーバーでの吸引、冷却、洗浄、必要に応じて救急車を呼ぶといった対応を迅速に行います。

マダニは山間部や草むらに潜み、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を引き起こすリスクがあります。作業後は衣服や体をくまなくチェックし、特に脇の下、足の付け根、頭髪などを重点的に確認しましょう。もしマダニに咬まれた場合、無理に引き抜かず、速やかに医療機関を受診することが大切です。

現場全体の安全意識向上と最新情報

現場の安全は、作業者一人ひとりの意識と、管理者や企業全体の取り組みによって守られます。特に管理者は、厚生労働省や環境省からの最新の通達やリーフレットを把握し、現場に反映させる必要があります。2025年6月1日から施行される労働安全衛生規則改正により、熱中症対策の強化も求められますので、内容をしっかり確認し、現場のルールを整備しましょう。

また、作業中の声掛けや情報共有を徹底し、作業者全員が「危ない」と思ったときにすぐに行動できる環境を整えることが、災害防止につながります。日常的な安全教育や訓練も大切です。

まとめ

夏季の電気工事現場は、感電、熱中症、毒虫被害など複数のリスクが重なりやすい時期です。しかし、作業計画の見直し、装備の徹底、声掛け、最新情報の共有など、日常の積み重ねでこれらのリスクを大きく低減できます。

「自分は大丈夫」と思わず、個人とチームで協力し、安全で健康的な現場環境を作りましょう。これが、作業者一人ひとりの命を守り、企業全体の信頼を築く第一歩です。

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