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電気と暮らしの豆知識

雨の日の現場作業と、古民家事務所で感じる日本の季節感

電気と暮らしの豆知識

梅雨がくると、気持ちも現場も構える

6月に入ると、空の色が少しずつ変わってきます。灰色がかった雲が広がり、気がつけば小雨がぽつりぽつりと落ちてくる――梅雨の始まりです。

この季節になると、現場仕事をしている身としては、どうしても身構えてしまいます。晴れていれば予定通りに進む作業も、雨が降ればすべてが思い通りにはいきません。電動工具は濡らすわけにはいきませんし、木材やケーブルといった材料も外に置いておけません。工具はサビの原因にもなりますし、作業そのものの安全性も下がってしまいます。

それでも私は、雨というものが決して嫌いなわけではありません。雨の音や湿った空気には、どこか心が落ち着くような感覚もあります。現場にいるときは困る存在ですが、一歩引いて見れば、日本の季節を感じさせてくれる、そんな風情のあるものだとも思います。


雷と雨、現場に潜む見えないリスク

とはいえ、仕事となると雨はなかなか手ごわい相手です。最近は突然の大雨が降ることも多く、作業の段取りを組むのもひと苦労です。特に厄介なのが雷です。屋外での電気作業中に雷が鳴ると、非常に危険を伴います。

私自身はプライベートで雷の被害にあったことはありませんが、現場では、雷が原因で機器が故障したり、停電が起きたりする場面に何度か遭遇しています。雷のエネルギーは、他の自然現象とは比べものにならないほど強烈で、常に注意が必要です。

雨の日の作業では、細かな困りごとも多くあります。たとえば、電気工事でよく使うビニールテープ。見た目は何の変哲もない道具ですが、実は心材が紙でできていて、濡れると驚くほど臭いがきつくなるんです。使い慣れているはずの道具が、雨の日には一変してしまう。これも、現場のリアルです。


天気アプリと岡山県、雨との付き合い方

その一方で、天候に対する備えは、年々進化しています。スマートフォンのアプリで天気をリアルタイムに確認できるようになり、急な雨や雷にも対応しやすくなりました。

私が住んでいる岡山県は、日本で最も降雨量が少ない県として知られており、実際に雨の日はあまり多くありません。そのため、他の地域で頻繁に雨に悩まされる現場の方々のご苦労には、頭が下がる思いです。


作業の手を休めて感じる、雨音と縁側の風情

雨が降る日は、作業が中止になって事務所で過ごすこともあります。そんなとき、ふと耳を澄ますと、雨音が静かに響いてきます。私の事務所は古民家を活用していて、縁側から雨の景色を眺めることができます。その風情に、ほっと心が和む瞬間があります。

「この縁側をもう少し整備して、もっと情緒ある空間にできたらいいな」と思うこともあります。普段の忙しい日常の中では気づかない、日本の季節の豊かさを、こうした雨の日にしみじみと感じるのです。


■ 苦労の中にある、季節とともに働く喜び

雨の日の現場作業は、正直に言えば大変です。安全の確保、道具や材料の管理、スケジュールの調整……どれも一筋縄ではいきません。

それでも、そんな雨の日だからこそ、事務所で感じる落ち着きや、縁側から眺める景色に、日本らしい季節感や風情があるのだと気づかされます。自然と向き合いながら働くことの意味を、改めて考える季節でもあります。

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