はじめに
- 「ブレーカーが落ちた!」という経験は、多くの方が一度はあるのではないでしょうか。しかし、ブレーカーにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。本記事では、家庭で使われる主なブレーカーの種類とその役割について、わかりやすく解説します。
ブレーカーとは?基本の仕組み
ブレーカーは、電気回路に異常が発生した際に自動的に電流を遮断し、火災や感電などの事故を防ぐための安全装置です。家庭では、分電盤内に設置され、電気の使いすぎや漏電などを検知して電流を遮断します。
主なブレーカーの種類とそれぞれの役割
1. アンペアブレーカー(サービスブレーカー)
役割: 家庭全体の電力使用量が契約アンペア数を超えた場合に電流を遮断します。
設置場所: 分電盤の左端に1つだけ設置されています。
特徴: 契約アンペア数(例:30A、40A)を超えると、家全体の電気が遮断されます。
【地域別補足】中国電力管内ではアンペアブレーカーが設置されない理由
中国電力管内では電灯契約においてアンペアブレーカーは設置されません。代わりに、主幹ブレーカーによって契約容量が管理されます。「主開閉器契約」という用語は動力契約に用いられるもので、家庭用契約には該当しません。
2. 漏電ブレーカー(漏電遮断器)
役割: 漏電を検知し、感電や火災を防止するため電流を遮断します。
設置場所: 一般的に分電盤の主幹部分に設置されますが、水回りや屋外など特定の場所には個別設置される場合もあります。
特徴: 漏電を検知すると、該当回路または家全体の電気が遮断されます。
【補足】漏電ブレーカーの感度電流とは?
感度電流とは、漏電とみなす電流のしきい値であり、一般家庭では30mA以下が多く使用されます。高感度タイプ(10mAや15mA)は水回りなどに適しています。環境に応じた適切な感度の選定が重要です。
3. 安全ブレーカー(配線用遮断器)
役割: 回路単位での過電流やショートを検知し、その回路だけを遮断します。
設置場所: 分電盤の右側に複数設置。
特徴: 特定回路の異常に限定して遮断するため、影響が最小限で済みます。
ブレーカーが落ちる原因とその対処法
- アンペアブレーカー: 契約容量を超えた使用 → 電化製品を減らす
- 漏電ブレーカー: 漏電の発生 → 回路を一つずつ確認して特定
- 安全ブレーカー: 回路内のショートや過負荷 → 該当機器を停止
ブレーカーの選び方・交換タイミング
- 契約容量の見直し(生活スタイルに合わせて)
- 古い漏電ブレーカーの交換
- 使用状況に応じたブレーカー容量の確認
- 定期的な分電盤点検を業者に依頼
【補足】単三欠相保護付きブレーカーの重要性
単相三線式配線では、L1・L2・中性線(N)のうち1本でも断線すると欠相が発生し、重大事故につながる可能性があります。
どんなときに欠相が起こる?
- 落雷・台風・積雪などによる屋外設備の断線
- 分電盤や電線の経年劣化による接触不良
- 工事中のミスや施工不良
中性相の欠相の危険性
中性線が断線すると、100V機器に200V近い電圧がかかり、家電の焼損や発火の危険があります。
事例:
・冷蔵庫・洗濯機が同時に故障
・照明が異常に明るくなって発煙
・基板の破損でエアコンが動かない
単三欠相保護付きブレーカーはこうした欠相を検知し、即座に電源を遮断することで、家庭を守ります。特に高負荷機器のある住宅では設置を強くおすすめします。
まとめ:正しく知って安全に使おう
ブレーカーは家庭の電気安全の要です。各種類の特徴と働きを理解し、定期点検や適切な交換・導入を行いましょう。不明点や不安があれば、専門業者に相談するのが安心です。